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Channel: 酪農学園大学 | 農食環境学群・獣医学群
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酪農PLUS+に『世界の乳文化図鑑② ラクダ乳の利用』をアップしました

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酪農学園大学 農食環境学群 食と健康学類
教授 石井 智美

フタコブラクダは少数派

ラクダというと、日本で暮らすわれわれはフタコブラクダを連想しますが、フタコブラクダは世界で飼われているラクダの中では少数派で、9割がヒトコブラクダです。フタコブラクダより体高が低いヒトコブラクダは、アフリカからアラビア半島、中央アジアに至る広い乾燥地域で飼われてきました。われわれになじみの深いフタコブラクダは中国、モンゴル以外ではカザフスタン周辺で飼育されている程度ですが、野生のフタコブラクダも少数ながら生息しています。カザフスタンは、ヒトコブラクダとフタコブラクダが混在して飼われている特異な地域です。

飲用効果に関心高まる

砂漠で暮らす遊牧民は「ラクダがいたからわれわれは生きてこられた」と言います。脂肪分が高く、栄養が豊富なラクダ乳は、肉とともに貴重な食料でした。
国際連合食糧農業機関(FAO)のデータによると、ソマリア、チャド、ジブチ、マリ、イエメンといった国々ではラクダ乳を飲用し、“乳”といえば牛ではなくラクダの乳なのです。
エチオピアのラクダ乳は、町へ運ばれる途中に乳酸発酵して発酵乳になります。冷房設備が未整備な地域で、乳を腐敗から守る“発酵乳”の味に親しみ好んできたことは、とても合理的ですね。
モンゴルではフタコブラクダを搾乳していますが、ラクダ乳を直接飲むことはありませんでした。しかし近年「ラクダ乳の飲用は内臓疾患に効果がある」として関心が高まり、ゴビ地方の鉄道沿線で暮らす遊牧民の間では、ラクダ乳を都市へ出荷し現金を得ることが試みられています。

製造地限定の飲料

ゴビ地方の伝統的な乳加工では、1日2回の搾乳で得たラクダ乳を専用の発酵容器に入れて発酵乳とし、酸味の強いチーズ(アロール)を作ってきました。時には体に良い野草を加えてアロールを作ることもあります。モンゴル遊牧民の乳加工は、廃棄される乳由来の成分が皆無なことが特徴です。
こうした乳製品作りが夏季の間、休むことなく続き、1日のエネルギー摂取量に占める自家製乳製品の割合が高くなります。モンゴルでは、夏季に新鮮な乳製品を食べることを「冬季の肉食で赤くなったお腹の中を白くする」と表現します。乳製品によって腸管を洗濯しているわけですね。
この乳製品ざんまいの食に、ラクダの生乳を微生物によって発酵させたどぶろく状の乳酒(ホルモグ)の飲用が加わります。遊牧民は動物性食品の乳から酒をも作り出してきたのです。ホルモグのアルコール度数は2~3%と低く、強い酸味と濃厚な味わいがあり、エネルギー量は100mL当たり約70kcalです。ゴビ地方に暮らす遊牧民の成人男性は、夏季にホルモグを1日1~2Lほど飲んでいます。その飲用には「健康に良い」「胃腸の調子を整える」「風邪をひかない」などの伝承がありますが、地域限定の飲み物であるが故に、他の地域では飲んだ経験がない人が多いのです。
カザフスタンではヒトコブラクダが搾乳の対象で、その乳から「シュバット」と呼ばれるホルモグと同様の性状のラクダ乳酒を作ってきました。やはり、製造地限定の飲料です。ラクダ乳酒は希少性とその飲用効果から、今後注目される気がします。「飲むためには製造地を訪れなければならない」という飲料がいまだに存在することは、今日ではとても貴重なのではないでしょうか。


本学 獣医学研究科 1年 中村暢宏さんが令和2年度日本学術振興会 特別研究員(DC1)に採用内定

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NEWS NO.83(2019年度)

本学 獣医学研究科 1年 中村暢宏さんが令和2年度日本学術振興会 特別研究員(DC1)に採用内定

令和2年度(2020年度)の日本学術振興会特別研究員の採用内定者が発表され、本学獣医学研究科1年 中村暢宏さん(指導教員 獣医生化学ユニット 岩野英知教授、藤木純平助教)が特別研究員(DC1)に採用されることが内定しました。本学大学院からの特別研究員(DC)の採用は、昨年度から2年連続の採用の快挙となりました。

中村暢宏さん

日本学術振興会の「特別研究員」制度は優れた若手研究者に、その研究生活の初期において、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与えることにより、我が国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者の養成・確保に資することを目的として、大学院博士課程在学者及び大学院博士課程修了者等で、優れた研究能力を有し、大学その他の研究機関で研究に専念することを希望する者を「特別研究員」として採用して支援する制度です。

採用者には、生活費相当の「研究奨励金」、そして、研究費として科学研究費助成事業「特別研究員奨励費」が交付されます。

中村さんは、特別研究員の中で「(2020年4月1日現在)医学、歯学、薬学又は獣医学系の4年制の博士課程第2年次相当」に在学する大学院生が対象となる「DC1」のカテゴリーで「農学・環境学分野」に申請し、採用内定となりました。特別研究員(DC)の採用率は例年20%ほどで推移しており、狭き門といわれております。今後、5月上旬までに正式な採用決定通知が届く予定です。

なお、中村さんは本学獣医学類の卒業生でもあり、大学在学中は岩野教授の指導のもと、主に「バクテリオファージとエンドライシンの溶菌活性」をテーマに研究を行ってきました。今回採用された特別研究員の研究課題「バクテリオファージの細菌叢制御を介した次世代型細菌感染症治療戦略の確立」も大学在学中から取り組んできたテーマの延長に位置しています。大学卒業後は、2年間小動物の臨床医に就いており、その2年間の経験が大学院での研究にも生きているとのことです。臨床医としての現場経験との基礎獣医学の研究とを融合させたバウンダリースパナーとして、そして、臨床も研究もできるリサーチマインドを持つ研究者としてこれからの中村さんの活躍が期待されます。

実験中の様子

今回の採用内定にあたり、獣医学研究科長の桐澤力雄教授と指導教員の岩野英知教授は、それぞれ以下の通りコメントしました。

「獣医学研究科から2年連続でDC1採用内定者が出たということは大快挙です。中村君は学類時代、私の授業科目を歴代最優秀でパスしており当時から注目していました。小動物臨床を2年経験したのち、昨年、本学博士課程を受験し、私は面接試験の責任者として多くの質問を投げかけました。臨床現場と基礎研究をうまく融合する形で自分のオリジナリティーを発揮し、全てに適切に答えていました。その時の博士課程での研究展開には舌を巻くものがあり、学振に応募したら採択になるであろうと思っておりました。それが現実となり大変嬉しく思っております。今後の研究が大きく展開することを祈念するとともに、丁寧にご指導いただいている岩野先生に深く感謝申し上げます。」(桐澤力雄獣医学研究科長)

「中村君は、学生時代の成績も優秀で、主席で卒業しました。その後、研究の道に進むと誰もが思っていましたが、臨床医となりました。その時も驚きましたが、また、研究の道に帰ってきてこの快挙です。今後ますますの活躍を誰もが期待しています。獣医療から人医療への領域まで多くの命を救えるような新しい発見を目指して頑張って行きましょう!」(岩野英知教授)

藤木純平助教、桐澤力雄研究科長、中村暢宏さん、岩野英知教授(左から)

また、中村さんは次のようにコメントしました。
「今回、日本学術振興会の特別研究員に採用されたことは大変嬉しく思います。研究室の岩野教授、藤木助教の日々のご指導の賜物であり、深く感謝しております。抗生物質は細菌感染症に対して非常に有効な薬で、獣医領域においてもよく使われる薬です。しかし近年では薬の効かない薬剤耐性菌の出現が世界中で問題となっており、日本においても実に年間8,000人以上がこの薬剤耐性菌によって命を落としているという報告もあります。そこで、これまでの研究では人間を含む動物には感染せず、細菌のみを倒すウイルスであるバクテリオファージを利用した感染症治療戦略を展開してきました。今後はバクテリオファージの基礎的な知見をより深め、そして日本初の臨床応用を目指していきたいと考えております。研究者でありながら臨床獣医師である自分にしかできないテーマに取り組み、臨床現場に還元できるような研究の一助になれるよう、今後はさらに研究活動に邁進していきたいと思います。」


【参考】
・本学 獣医学研究科1年中村暢宏さんが第13回細菌学若手コロッセウムで微生態特別賞を受賞
 https://www.rakuno.ac.jp/archives/3102.html

男子アイスホッケー部インカレ初出場による江別市表敬訪問

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NEWS NO.84(2019年度)

男子アイスホッケー部インカレ初出場による江別市表敬訪問

本学の男子アイスホッケー部が、創部以来初となるインカレ出場を勝ち取り、江別市佐々木雄二副市長を表敬訪問しました。
男子アイスホッケー部主将の佐波翔太さんが、「この様な機会をいただきありがとうございます。釧路での全国大会、精いっぱい頑張って戦って参ります」と表敬訪問のお礼と意気込みを語りました。

江別市佐々木雄二副市長との記念写真(写真後列左から3人目が佐波翔太主将)

佐々木雄二副市長は「おめでとうございます。全国大会の切符をつかんだというお知らせを聞き大変うれしいです。今回のインカレ出場に係る成績を資料から拝見しました。得失点差で3位。これは日頃の練習も含めて、一つ一つの試合を大事にしてきた結果がこのような良い形につながったのだと思います。今回インカレに出場できなかった4位以下のチームも皆さんを応援しています。
江別市民の、家族の、そして他チームの応援を背に受けて、ぜひ、良い結果を残して報告に来てください」とエールを送りました。

佐々木雄二副市長

岡本英竜部長より表敬訪問に係り、「1981年創部して38年。初めて全国大会の舞台に立ちます。このことを皆さんに広く知っていただき、ぜひ、応援していただきたいと思い、今回訪問させていただきました」とあいさつしました。
津川裕一監督からは「部員の多くがアイスホッケー未経験者でした。北海道外から酪農学園大学に進学し、この大学に来てアイスホッケーと出会って今まで続けてきました。そういった経緯を振り返ると感慨深いです。インカレの相手は強豪校ですが、応援してくれている皆さまに胸張ってプレーする姿を見せられれる様に頑張ってきます」と述べました。

 

岡本英竜部長

津川裕一監督

 

とわの森女子バスケがウインターカップ初出場による表敬訪問

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NEWS NO.85(2019年度)

とわの森女子バスケがウインターカップ初出場による表敬訪問

本学附属とわの森三愛高等学校女子バスケットボール部が12月12日、谷山弘行理事長らを表敬訪問しました。

全国高等学校バスケットボール選手権大会北海道予選が11月2日から11月4日にかけて行われ、女子バスケットボール部が準優勝し、ウインターカップ2019第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会への出場を決めました。

谷山理事長から創部史上初の快挙に対し激励の言葉が送られ、キャプテンの3年清實茉宝さん(普通科 総合進学コース 特別進学クラス)は『ウインターカップは最後の大会になります。悔いが残らないよう、やってきたことを全て出し切ります。先輩方の分も、全国の舞台で、とわの森のバスケを見せられるよう頑張ります』と、目標とする全国ベスト8へと意気込みを語りました。

谷山弘行理事長

清實 茉宝さん

獣医保健看護学類の学生が初めて豚の出産に立ち合う

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NEWS NO.85(2019年度)

獣医保健看護学類の学生が初めて豚の出産に立ち合う

12月14日、獣医保健看護学類生産動物看護研究室(菅野美樹夫教授)の3年生2名が、フィールド教育研究センター肉畜ステーション実験豚舎で豚の出産に立ち会い、新生豚の介助を体験しました。
当日、午前8時半に豚舎に到着したところ、既に母豚の陣痛が始まっており、第1子が生まれていました。さらに第2子、第3子と娩出が続いていました。学生は身支度をし、循環農学類の4年生(中小家畜飼養学研究室所属)の説明を受けながら新生豚の介助を始めました。豚舎内の室温は、9.5度です。体温確保が急務です。続いて呼吸確認、体重測定、断尾、臍帯処理そして鉄剤投与など行わなければならないことがたくさんあります。最初は慌てていた学生でしたが、経験を重ねるうちに、落ち着いて様子で一つ一つこなせるようになっていきました。今回出産した母豚は、今回が4産目です。13頭の子豚を生みました。全頭元気です。新生豚の体重は、0.56~1.12kgとやや小さな子豚ばかりでした。性別は雌子豚が8頭、雄子豚が5頭です。学生は、初めての出産立ち合いにびっくりしていました。
フィールド教育研究センター肉畜ステーションは、肉用牛、豚、綿羊および鶏と多種にわたる生産動物が飼育されています。獣医保健看護学類の学生にとっても、生きた教材の宝庫です。今回、ゼミ活動の一環として豚の出産に立ち会い、命の大切さや動物看護師の役割、獣医師との関わり合いなどを実践から学びました。教員からは厳しい言葉はありましたが、生き物を看護するためには重要なことばかりです。今後も色々な生産動物の出産に立ち会い、種々の動物の出産に対応できる動物看護師になってほしいと思っています。
(文責 獣医保健看護学類生産動物看護研究室 菅野 美樹夫教授)

豚の出産終了後、安堵する看護学生


取り上げた新生豚の呼吸確保

臍帯を切る

4年生から習う

鉄剤の投与

哺乳する子豚

授乳する母豚

 

 

2019年度カセサート単位互換プログラム:寮内料理交流会

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12月9日(月)、タイ・カセサート大学(以下KU)から来ている留学生5名と清温寮寮生でタイ料理と日本料理を作りました。タイ料理はタイの焼きそばパッタイと、タイの焼き鳥ガイヤーン、日本食は巻き寿司を作りました。実習等で時間通りに来られなかった学生もいましたが8時前には全員のKU学生、本学の寮生も6,7名参加してくれました(体調不良で2名程来られませんでした)。カンボジアからの留学生(寮生)も参加しました。実はKU学生は誰もパッタイを作ったことが無かったそうですが、こちらでパッタイペーストを準備したところ安心して作ることができました。お昼から何も食べていなかったので、途中で作りながら試食をする学生が出てきました。つられて他の学生も食べながら作っていました。

パッタイはタイの国民的焼きそばで、ライスヌードルを使った甘ずっぱい焼きそばです。茹でたライスヌードルをエビ、たまご、もやし、ニラと一緒にいため、ナンプラー等を使って味付けし、ライムや砕いたピーナツをのせて完成です(今回はライムとピーナツは省略)。ガイヤーンは下味を付けた鶏肉をグリル(か炭火)でじっくり焼きあげるタイの焼き鳥です。

特に誰がどの料理を作るかは決めていなかったのですが、各自メインで作る物に自然と分かれ、また手が空いた時にはほかの料理を手伝うなど、KU学生・RGU学生関係なくうまく分担して調理をしていました。チキンは手羽先にしましたがその量の多さに皆驚いていました。

【YouTubeとTVで公開】HTB「ブカピ」(部活ピーポー)出演!第2弾にくうし(肉牛研究会)

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NEWS NO.87(2019年度)
【YouTubeとTVで公開】HTB「ブカピ」(部活ピーポー)出演!第2弾にくうし(肉牛研究会)

 

テレビ朝日系列「部活ONE!放送部」の関連動画投稿サイトHTB「ブカピ」(部活ピーポー)に本学の肉牛研究会(通称:にくけん) が紹介されました!

ブカピ=部活ピーポーは、一生懸命部活に取り組んでいる姿を紹介する動画投稿サイトです!ぜひ、にくうし研究会(にくけん)の活動みてくださいね!!
公開されてから1週間で再生回数900回越え!

【YouTubeとTVで公開】HTB「ブカピ」(部活ピーポー)出演!第3弾馬術部

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NEWS NO.87(2019年度)
【YouTubeとTVで公開】HTB「ブカピ」(部活ピーポー)出演!第3弾馬術部

 

テレビ朝日系列「部活ONE!放送部」の関連動画投稿サイトHTB「ブカピ」(部活ピーポー)に本学の馬術部 が紹介されました!


2019年度酪農公開講座を千葉県にて開催しました

2019年度酪農学園大学公開講座を福岡県で開催いたしました

本学 獣医学研究科 1年 中村暢宏さんが令和2年度日本学術振興会 特別研究員(DC1)に採用内定

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NEWS NO.83(2019年度)

本学 獣医学研究科 1年 中村暢宏さんが令和2年度日本学術振興会 特別研究員(DC1)に採用内定

令和2年度(2020年度)の日本学術振興会特別研究員の採用内定者が発表され、本学獣医学研究科1年 中村暢宏さん(指導教員 獣医生化学ユニット 岩野英知教授、藤木純平助教)が特別研究員(DC1)に採用されることが内定しました。本学大学院からの特別研究員(DC)の採用は、昨年度から2年連続の採用の快挙となりました。

中村暢宏さん

日本学術振興会の「特別研究員」制度は優れた若手研究者に、その研究生活の初期において、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与えることにより、我が国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者の養成・確保に資することを目的として、大学院博士課程在学者及び大学院博士課程修了者等で、優れた研究能力を有し、大学その他の研究機関で研究に専念することを希望する者を「特別研究員」として採用して支援する制度です。

採用者には、生活費相当の「研究奨励金」、そして、研究費として科学研究費助成事業「特別研究員奨励費」が交付されます。

中村さんは、特別研究員の中で「(2020年4月1日現在)医学、歯学、薬学又は獣医学系の4年制の博士課程第2年次相当」に在学する大学院生が対象となる「DC1」のカテゴリーで「農学・環境学分野」に申請し、採用内定となりました。特別研究員(DC)の採用率は例年20%ほどで推移しており、狭き門といわれております。今後、5月上旬までに正式な採用決定通知が届く予定です。

なお、中村さんは本学獣医学類の卒業生でもあり、大学在学中は岩野教授の指導のもと、主に「バクテリオファージとエンドライシンの溶菌活性」をテーマに研究を行ってきました。今回採用された特別研究員の研究課題「バクテリオファージの細菌叢制御を介した次世代型細菌感染症治療戦略の確立」も大学在学中から取り組んできたテーマの延長に位置しています。大学卒業後は、2年間小動物の臨床医に就いており、その2年間の経験が大学院での研究にも生きているとのことです。臨床医としての現場経験との基礎獣医学の研究とを融合させたバウンダリースパナーとして、そして、臨床も研究もできるリサーチマインドを持つ研究者としてこれからの中村さんの活躍が期待されます。

実験中の様子

今回の採用内定にあたり、獣医学研究科長の桐澤力雄教授と指導教員の岩野英知教授は、それぞれ以下の通りコメントしました。

「獣医学研究科から2年連続でDC1採用内定者が出たということは大快挙です。中村君は学類時代、私の授業科目を歴代最優秀でパスしており当時から注目していました。小動物臨床を2年経験したのち、昨年、本学博士課程を受験し、私は面接試験の責任者として多くの質問を投げかけました。臨床現場と基礎研究をうまく融合する形で自分のオリジナリティーを発揮し、全てに適切に答えていました。その時の博士課程での研究展開には舌を巻くものがあり、学振に応募したら採択になるであろうと思っておりました。それが現実となり大変嬉しく思っております。今後の研究が大きく展開することを祈念するとともに、丁寧にご指導いただいている岩野先生に深く感謝申し上げます。」(桐澤力雄獣医学研究科長)

「中村君は、学生時代の成績も優秀で、主席で卒業しました。その後、研究の道に進むと誰もが思っていましたが、臨床医となりました。その時も驚きましたが、また、研究の道に帰ってきてこの快挙です。今後ますますの活躍を誰もが期待しています。獣医療から人医療への領域まで多くの命を救えるような新しい発見を目指して頑張って行きましょう!」(岩野英知教授)

藤木純平助教、桐澤力雄研究科長、中村暢宏さん、岩野英知教授(左から)

また、中村さんは次のようにコメントしました。
「今回、日本学術振興会の特別研究員に採用されたことは大変嬉しく思います。研究室の岩野教授、藤木助教の日々のご指導の賜物であり、深く感謝しております。抗生物質は細菌感染症に対して非常に有効な薬で、獣医領域においてもよく使われる薬です。しかし近年では薬の効かない薬剤耐性菌の出現が世界中で問題となっており、日本においても実に年間8,000人以上がこの薬剤耐性菌によって命を落としているという報告もあります。そこで、これまでの研究では人間を含む動物には感染せず、細菌のみを倒すウイルスであるバクテリオファージを利用した感染症治療戦略を展開してきました。今後はバクテリオファージの基礎的な知見をより深め、そして日本初の臨床応用を目指していきたいと考えております。研究者でありながら臨床獣医師である自分にしかできないテーマに取り組み、臨床現場に還元できるような研究の一助になれるよう、今後はさらに研究活動に邁進していきたいと思います。」


【参考】
・本学 獣医学研究科1年中村暢宏さんが第13回細菌学若手コロッセウムで微生態特別賞を受賞
 https://www.rakuno.ac.jp/archives/3102.html

とわの森女子バスケがウインターカップ初出場による表敬訪問

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NEWS NO.85(2019年度)

とわの森女子バスケがウインターカップ初出場による表敬訪問

本学附属とわの森三愛高等学校女子バスケットボール部が12月12日、谷山弘行理事長らを表敬訪問しました。

全国高等学校バスケットボール選手権大会北海道予選が11月2日から11月4日にかけて行われ、女子バスケットボール部が準優勝し、ウインターカップ2019第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会への出場を決めました。

谷山理事長から創部史上初の快挙に対し激励の言葉が送られ、キャプテンの3年清實茉宝さん(普通科 総合進学コース 特別進学クラス)は『ウインターカップは最後の大会になります。悔いが残らないよう、やってきたことを全て出し切ります。先輩方の分も、全国の舞台で、とわの森のバスケを見せられるよう頑張ります』と、目標とする全国ベスト8へと意気込みを語りました。

谷山弘行理事長

清實 茉宝さん

男子アイスホッケー部が創部38年の歴史で初の全日本インカレ出場!

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NEWS NO.88(2019年度)

男子アイスホッケー部が創部38年の歴史で初の全日本インカレ出場!

第17回北海道学生アイスホッケーリーグ兼第92回日本学生氷上競技選手権大会北海道予選会が10月12日~12月1日の2ヵ月間行われ、本学男子アイスホッケー部が予選会第3位となり、創部38年の歴史で初の全日本インカレ出場を決めました。
壮行会が12月19日、本学学生ホールにて行われ、本学教育センター学生支援担当部長の小宮道士教授(循環農学類)より激励の言葉が送られました。男子アイスホッケー部長の岡本英竜准教授(循環農学類)は「初戦の相手は全日本インカレ常連校ですが、臆せず1試合ずつ戦ってきます』と意気込みを語りました。

本学教育センター学生支援担当部長の小宮道士教授

男子アイスホッケー部長の岡本英竜准教授

 

 

 

 

 

 

 

 

 


今シーズンの振り返り、インカレ出場への思いを1年間チームをまとめてきた主将の佐波 翔太さん(3年・ポジションDF)に聞きました。

獣医学群獣医学類3年

神奈川県出身・法政大学第二高校卒業。

主将の佐波 翔太さん(3年・ポジションDF)

■主将として大変だったこと

個性的なメンバーが多くて、意見は割れ、言うこと聞いてくれない(笑)。主将になってすぐに、ストレスで胃がやられました(笑)。

2年生で主将になった当初、3年生や4年生がいる中で主将をやらないといけない上に、全然チームがまとまらなく、自分もめちゃくちゃ下手くそだったので、チームになんの説得力も与えられない状態が続いていてストレスを感じた時期がありました。

佐波さんと津川監督

部員は経験者が少なく、大学に入ってから始めた者がほとんどで、大学にアイスホッケーをやりに来たようなモチベーションの者もいませんでした。また、私も含めて獣医学類の学生も多くいて学業が忙しかったりと、週1回集まって練習するのがやっとでした。さらには、コーチがいないので全て自分たちでやるしかないんです。何が正しいか分からないままに、課題を考え見つけては、その課題を解決できる練習メニューに取り組む試行錯誤の日々でした。

本気で辞めたいと悩んだ時に、同期の部員と津川裕一(酪農学園大学入試広報センター広報課課長)監督が引き止めてくれたおかげで続けることができました。

■チームの変化、成長を感じたとき

2、3月の旭川大会Cプール優勝、6月の市民大会でCプール4位入賞の結果を得ることができた頃から、一人ひとりが試合を想定して練習をやるようになってきました。練習の意図を汲み取るようになって、ただこなすだけではなくなりました。理想としていた”意志があり、アイデアのある面白いチーム”になってきたと感じました。

■インカレに向けて一言

とてもうれしいです。去年入れ替え戦で、2部リーグで全勝していた札幌医科大学(以下、札医)と1部リーグ下位の帯広畜産大学(以下、帯畜)が対戦しましたが、帯畜の圧勝で1部と2部の壁を感じていました。

その帯畜に得失点差で競り勝ってのインカレ出場決定。今シーズンは、2部の参加チーム数が少なく「1部、2部と合同になってのリーグ戦」、「開催地枠」や「札幌大学のシード(前年度ベスト16のためシード出場)」の運はありますが、帯畜と引き分けたこと、そして得失点差で北海道予選3位となったことは実力、練習の成果です。

会場となる日本製紙アイスアリーナは実業団のホームリンク、すごい舞台です。まずは、この舞台と雰囲気を楽しみます。今回の経験を胸に、来年もこの舞台を目指せるチームになりたいです。

 


4年間ムードメーカーとしてチームを盛り上げてきた國友 裕成さん(4年・ポジション GK)に聞きました。

 

農食環境学群 循環農学類4年

北海道江別市出身・岩見沢農業高校卒業

國友 裕成さん(4年・ポジション GK)

■いちばんの思い出は

1年生の時の泊村アイスセンター「とまリンク」での夏合宿です(笑)

1年の最初はプレーヤーをやっていましたが、キーパーが1人しかいなかったので『後継者となるキーパーを育てたい』と先輩から声をかけられました。キーパーはゴールから動かなくていいので、楽そうだと思ってやってみることにしたのですが、かなりしんどくて、まず防具が重たくて、体感10キロ以上はあって、やばいと思いました。

夏合宿

当時、正ゴールキーパーをやっていたのが大和さん。高校時代は京都選抜を務めていたことがあるほどに上手い方でした。夏合宿で

は、大和さんからキーパーの基本的な動きとなる「バタフライ」や、横に動く「シャッフル」などの基礎基本を学びました。そして、中でもいちばんきつかった練習が、90分で100本以上3方向から打ち込まれる練習でした。OBの方や、監督も加わって、本気のシュートがどんどん打ち込まれてきます。慣れない重たい防具をつけて、シュートを止めるこの練習は本当にきつかったです。3泊4日の合宿では毎日それが続いて、練習が厳しくて何度か吐きました。でも、成長、達成感を感じることができた日々でした。夕飯まで練習で「ソフトクリーム盛り」と呼ばれていた大盛りの白飯を食べたのもいい思い出です(笑)。

■今シーズンはどうでしたか?どんなチームですか?

市民大会はトーナメントCグループ8チーム中4位で入賞。3位決定戦では、4年間で初めてPSを経験しました。競ることなんて今までなかったので、すごいと思いました。

この頃からチームの意識が変わってきたと思います。みんなよくしゃべるようになってきました。大会中から言い合いが増えてきて、真剣な衝突なんて今までなかったと思います。

チームが変わったと思いました。

そして3年生のとき練習試合で相手にならないくらいに負けた相手にも、今シーズンのリーグ戦では、1点差まで追い詰めることができた。自分たちの強さを感じることができた。

■インカレに向けて一言

インカレ出場が決まり、これまで頑張ってきた努力が結果になったと、素直にうれしい気持ちでいっぱいになりました。試合ではもちろんチームを勝たせたいです。ゴールを守って、うるさいと言われるくらいに声を出して頑張ります。勝っても負けても堂々としていたいです。

体にぶつかる痛みが喜び

12月25日、北海道・釧路市で開催のインカレ情報 みなさま応援を宜しくお願いします!

<日時> 12月25日水曜日 午前7:30~<会場> 日本製紙アイスアリーナ(北海道釧路市鳥取大通3丁目6-33)<対戦チーム> 日本大学(2019年度関東大学アイスホッケーリーグ戦ディビジョンⅠ グループA6位)<特設サイト> 一般社団法人 日本学生氷上競技連盟 アイスホッケー部門

酪農PLUS+に連載『飼料作物の生産と調製―理論と実際― ≪第5回≫トウモロコシサイレージ調製の基本と実際』をアップしました

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はじめに

トウモロコシは飼料作物の中で最も多くの収穫量が望める作物です。収穫適期では乾物中の子実割合は4~5割以上を占め、可消化養分総量(TDN)収量が高く、高エネルギー自給粗飼料として重要な作物です。高エネルギーで収穫量の多いトウモロコシの給与は、濃厚飼料給与量の低減にもつながります。また、トウモロコシは発酵基質の糖分が多く、サイレージ原料として最適の作物であり、その調製の基本技術は、牧草サイレージと同様です。今回はトウモロコシの栽培とそのサイレージ調製のポイントについて紹介します。

1.トウモロコシ栽培のポイント

(1)品種選定
トウモロコシの生育パターンは図1のとおりです。サイレージ用トウモロコシの収穫適期は黄熟期で、水分含量はおおむね70%です。これに到達するには積算温度が大きく影響します。トウモロコシの特性を最大に発揮させるには、その地域に適した品種を選ぶことが大切です。トウモロコシは生育期間が積算温度によって異なるため、地域に適した品種を選ぶことが最も重要です。つまり、積算温度の低い地域においては早生種を選定することになります。
トウモロコシの早晩性の表示に相対熟度(RM)があります。一般的には発芽から生理的成熟期に達するまでの日数で示されますが、トウモロコシの場合、必ずしもそれをそのままを表示したものではありません。しかし、早晩性の判断としては重要なものです。例えばトウモロコシの「75」「90」「100」あるいは「110日クラス」などと称される品種は、播種日から収穫日に至る日数を表しているのではなく、品種の早晩性を表しているものと理解してよいでしょう。単純積算温度が2,300℃以下の地域であれば80日クラス以下の早生種、110日クラスの晩生種は積算温度の高い地域に限られます(図2)。
収穫期には多少の余裕を持ち、黄熟期に達する品種を選定することや、収穫期の分散や気象変動からの危険分散から異なる品種を2~3品種栽培することも有効です。
トウモロコシは新品種の開発が進められているため、地域ごとに推奨されている品種を普及センターや種苗会社などと相談して栽培品種を決めるとよいでしょう。

(2)栽培の留意点
1)栽植密度
栽植密度はトウモロコシの生育に大きく影響します。密植は稈全体が軟弱、根系は貧弱となり、倒伏しやすく病害にかかりやすくなります。また、雌穂は小さく飼料価値が低下する原因になります。従って、適正な栽培密度を保つことが重要です。適正栽培本数は品種などによって異なりますが、10a当たりおおむね7,000~8,000本です。例えば、畦間70cm、株間20cmでの播種では、1,000㎡÷(0.7m×0.2m)=7,140本となります。
欠株は栽培密度が低下し、収量に大きく影響します。欠株の原因は①播種されていない②発芽が正常に行われない―などです。播種後または鎮圧後の覆土深は2~3cmが基準となりますが、砕土不十分な圃場で、さらに干ばつが重なると発芽不良が予測されます。この場合の覆土深は5cm程度にします。

2)雑草防除
雑草は収量と栄養価の低下を引き起こします。雑草防除の基本は初期防除です。トウモロコシは雑草が発生する前に散布する土壌処理と、初期生育時に散布する生育処理の除草剤があります。土壌処理は播種後~出芽前の雑草発生前に散布します。その後雑草が発生した場合には、生育処理を行います。生育処理は散布時期が遅れると除草効果が軽減し、雑草防除ができません。

3)適正な施肥
トウモロコシは肥料をたくさん吸収する作物で、肥料不足になると生育が止まって収量が減少するため、適正な施肥が重要です。施肥は各都道府県の施肥基準を参考に施用します。『北海道施肥ガイド』では、地帯(地域)、土壌区分ごとに窒素(N)、リン酸(P2O5)、カリ(K2O)の施用の基準量が示されています。おおむね10a当りN10~15kg、P2O515~20kg、K2O10~15kgです。
一般にトウモロコシ畑のように耕起する場合、牛ふん尿由来の堆肥やスラリーを投入した結果、窒素やカリの過剰施用が懸念されます。堆肥やスラリーの成分含量、施用量とその肥効率から化成肥料の施肥量を求める適正な施肥設計が重要です。ただし、肥効率の過大評価による養分不足に注意しなければなりません。

4)輪作体系
トウモロコシは連作を極端に嫌う作物ではありませんが、輪作体系を取ることが望まれます。輪作の効果はトウモロコシ自体よりも、ほかの作物(牧草)にとって有利なことが多くあります。例えば、トウモロコシでは更新牧草地の雑草抑制などの効果もあります。
連作障害の原因としては、土壌養分の欠乏・不均衡など土壌物理性の悪化が第一に挙げられます。連作は土壌の団粒構造を低下させるので、堆肥などの投入によって土壌物理性、化学性を改善する必要があります。

2.バンカーサイロでのサイレージ調製

(1)収穫期
トウモロコシはサイレージ用作物として優れていますが、サイレージに調製される過程で乾物の損失が生じます(図3)。主な乾物損失は、収穫時(圃場)、発酵、排汁による損失に大別されます。未熟なトウモロコシは水分含量が高く、発酵や排汁による損失が多くなります。写真1のように水分含量が75%前後のトウモロコシは、詰め込み作業時から排汁が生じ、栄養価の低下や発酵品質の低下が懸念されます。一方、水分含量が70%以下では発酵による損失が少なく、また排汁の損失はほとんど生じません。水分70%前後の熟期は黄熟期であり、この期はTDN収量が高く、乾物回収率、サイレージ調製の適水分であるのでトウモロコシの収穫適期となります。
トウモロコシの熟期は、子実を爪で押しつぶすなどして、その状況から判定されます。乳熟期は子実が柔らかく、子実をつぶすとミルク状の水様物が出ます。糊熟期は子実をつぶすと粘りのある糊状の液が出ます。また、デント系の品種は頂部表面がくぼみ始めます。黄熟期は子実の頂部表面がへこみ、爪を立てると子実が割れるか、やっと割れるほどに硬化します。更に熟期が進んだ完熟期では子実が硬くなり、全然爪が立たなくなります。
黄熟期をより確実に判定するには、雌穂の上位3分の1部分を折って“ミルクライン”を確認するのが有効な方法です。トウモロコシは熟期が進むと子実の上部から芯に向かって黄色く(でんぷん)なり、白色部分(乳汁)が少なくなってきます。この黄色と乳白色部分の境界がミルクラインであり、このラインが子実の中央に形成された時(ハーフミルクライン)が収穫適期の黄熟期です(写真2)。

(2)収穫作業
1)刈り取り高さ
トウモロコシは養分吸収量の多い作物であり、施用量が不足すると収量、栄養価の低下が生じます。一方、窒素の施用量が多くなると収量は増加しますが、硝酸態窒素も高まる傾向にあります。また、硝酸態窒素の蓄積は栽培密度や気象条件などにも影響されます。硝酸態窒素含量の高い飼料の給与は、乳牛へ悪い影響を与えかねません。硝酸態窒素は茎に多く分布するため、刈り取り高さを高めにすることも必要です。高刈りは収量の減収になりますが、消化性の低い部分を収穫しないことから消化率の向上にもなります。

2)クラッシャー(破砕)処理
登熟の進んだトウモロコシは未消化の子実が多くなりますが、消化性の向上を目的に子実や芯を破砕する方法が取られます。ハーベスタに装着したコーンクラッシャ(写真3)による破砕処理によって、①子実でんぷんの利用性の向上②芯や茎の破砕による嗜好しこう性の改善(選び食い防止と残飼の減少)③切断長を長くできるためトウモロコシの繊維効果が期待できる④サイレージの詰め込み密度が高まる―などの効果が得られます。黄熟期に収穫するトウモロコシの切断長は10mm前後ですが、破砕処理をする場合は15mm前後にするとよいでしょう。なお、糊熟期での破砕処理は排汁が発生しやすいため、破砕処理を行わないか、クラッシャのローラ間隙かんげきを最大にします。

(3)サイロの多様化
サイレージ調製に用いられる多くのサイロは塔型サイロやバンカーサイロですが、2000年以降に登場したチューブサイロや細断型ロールベーラの導入により、トウモロコシサイレージの調製法も多様化しています。

1)チューブバッグサイロ
 バンカーサイロの補完サイロとしてチューブバッグサイロの活用があります(写真4)。チューブバッグサイレージ調製は、専用の機械を用いて大口径のチューブバッグ内に圧力をかけながらトウモロコシを詰め込むシステムです。踏圧作業が不要であり、詰め込み作業は極めて短時間で行われ、材料の運搬やハーベスタの運転が追いつかないスピードです。ちなみに一般的なバンカーサイロ1基(約140t)に詰め込むのに最低2日間要しますが、チューブバッグは1日で110t程度のサイロ2本を調製することができます。

2)細断型ロールベーラ
従来の牧草ロールラップサイレージ調製法に準じた、細断型ロールベーラとラッピングマシーンを組み合わせたシステムにより、トウモロコシロールベールサイレージの調製と再貯蔵が可能になりました(写真5)。筆者は、細断型ロールベーラサイレージはチューブバッグやバンカーサイロと同品質のサイレージ調製が可能であることを確認しています。再貯蔵は、短期間の代替サイロとしての利用が可能です。また、細断型ロールベーラは、細切された牧草や発酵TMRの調製などにも応用されるシステムとしての有効活用が期待されます。

 

<参考文献>
名久井 忠(高野信雄・安宅一夫監修1986)サイレージバイブル-サイレージの調製技術-.酪農学園出版部.
名久井忠(内田仙二編集1999)サイレージ科学の進歩.デーリィ・ジャパン社.
名久井 忠(安宅一夫監修2012)最新サイレージバイブル-サイレージとTMRの調製と給与-.酪農学園大学エクステンションセンター.
野 英二(共著2004)サイレージ-より高品質なサイレージ、より乳牛が喰い込むサイレージ-.デーリィ・ジャパン社.
雪印種苗株式会社(2019)雪印の牧草・飼料作物カタログ(北海道版)2019.
戸澤英男(1981)トウモロコシの栽培技術.農山漁村文化協会.

2019年度 「雪印グループ 業界セミナー」を開催

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去る12月20日(金)、本学学生のエントリー数が毎年上位となる「雪印メグミルク(株)」と「雪印種苗(株)」の2社をお招きし、「雪印グループ業界セミナー」を開催しました。本取り組みは昨年度が初開催となり今年で2回目となります。会場には数か月後に就職活動を控えた50名の学生たちが集まり、真剣な表情で企業担当者の説明に聞き入る姿でいっぱいとなりました。

開会の挨拶では竹花一成学長より、「現在の雪印グループの基となった北海道製酪販売組合連合会の設立者と本学の創立者は同じであるため、2社の企業理念や事業内容を学ぶことで今後の就職活動はもちろんのこと、本学での今後の勉学・研究活動のモチベーションアップにも繋げてほしい。」との挨拶がありました。


参加した学生からは、「健土健民の思想を実社会で実践している企業に大きな魅力を感じた。」「卒業生が活躍している企業の現状と今後についてよく知ることができた。」等の声がありました。



 

また、2社は本学学園祭である「白樺祭」の特別協賛をお受け頂いている関係から、業界研究セミナー後に、白樺祭実行委員会の学生から、日ごろの感謝の言葉を伝えるため2社に対する学園祭実施報告会が行われました。

学生たちからは、「毎年、雪印グループの皆様に御協力いただき、来場者の方々に健土健民に関わるクイズを楽しんでもらう企画を実施している。」「同じ理念を持つ企業と本学、並びに学園祭とのつながりを今後も強めてゆきたい。私たち(学生)の活動や当日の企画について、今後もアドバイスいただきたい。」等の感謝の気持ち、今後への期待を込めた情報交換が行われました。

 






2019年度第1回課外活動表彰式を開催

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NEWS NO.89(2019年度)

2019年度第1回課外活動表彰式を開催

2019年度第1回学生生活援護会課外活動表彰式が、12月23日(月)本学本館にて行われ、学生生活援護会理事長の竹花学長より9団体に表彰状と報奨金が授与されました。

竹花学長は「皆さんは部活動を通して酪農学園大学の名声を高めてくれました。今年度、健民館が新多目的体育施設として、部室や合宿施設を備えて完成します。これを糧にして、更に上を目指して頑張ってください」とあいさつしました。

獣医4年の大崎澪さんW受賞 「古典の日朗読コンテスト」文部科学大臣賞と「ミス日本酒北海道」TSUBAKI賞

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NEWS NO.90(2019年度)

獣医4年の大崎澪さんW受賞 

「古典の日の朗読コンテスト」文部科学大臣賞と「ミス日本酒北海道」TSUBAKI賞

「古典の日朗読コンテスト」文部科学大臣賞受賞

12月1日に京都府立京都学・歴彩館で行われた「第11回古典の日朗読コンテスト」において、獣医学類5年の大崎澪さん(放射線生物学ユニット遠藤大二教授)が『伊曾保物語』を朗読し文部科学大臣賞(審査員特別賞)を受賞しました。

応募総数419作品(中学生部門115作品、高校生部門94作品、一般部門210作品)の中から最終審査には中学生4名、高校生3名、一般9名が残り、竹取物語、堤中納言物語、徒然草、伊曾保物語の中から作品を選び、朗読を披露しました。

■古典の日推進委員会公式サイト

賞状

自作の台本

 

 

 

 

 



ミス日本酒2020北海道大会」TSUBAKI賞(審査員特別賞)受賞

また、大崎さんは12月8日に、プレミアホテル-TSUBAKI-札幌(豊平区)にて行われた「ミス日本酒2020北海道大会」において、TSUBAKI賞(審査員特別賞)を受賞しました。

Miss SAKE北海道大会2020公式サイト


獣医学類5年放射線生物学ユニット所属

大崎 澪さん(光星高校出身)

10歳の頃に劇団に入り演技することが好きで俳優になりたいと思っていましたが、親の反対で断念しました。両親は医者で、学校の成績が良いと喜んでくれるので、私もそれを生きがいにしてきたました。ところが、大学4年生の時に急に周りの学友たちに劣等感を覚え、学業に行き詰まってしまいました。2年前に休学したことをきっかけに自分を解放しようと、1年間の期限付きで親元を離れ上京し、「青二塾」(日本ナレーション研究所)に通いました。元々日本舞踊が好きだったので、そこから古典に興味を持ち自ら能の師を求めてのめり込みました。

それで、今回古典の日の朗読に応募してみようとチャレンジした結果、栄誉ある賞をいただき自信につながりました。

ミス日本酒の特技審査にも能の謡(観世流)の「外郎売」を披露しました。また、日本酒アンバサダーは海外に行って日本酒の魅力を紹介する役割があるので、英語や韓国語、中国語でスピーチしてみせました。発音が良いと評価されたこともうれしかったです。

将来の道を迷い、悩んだ事でこれまでを振り返ることができました。獣医師を目指して4年間学んできたこともそうですが、動物実験で犠牲にした命の尊さの責任があるということを感じ、獣医師になる使命を忘れてはいけないと思いました。私は少しでも、休学など艱難の中にある人を励ませたらいいなと思い、このように自己発信をしようと思いました。獣医師を目指すことも俳優になりたいという夢もあきらめずに、これからも色んなことに挑戦したいと思っています。

 

 

学生らデザインの新しい酪農学園スクールバスを運行

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NEWS NO.91(2019年度)

学生らデザインの新しい酪農学園スクールバスを運行

 本学園では、附属高校生の通学支援のためのスクールバスとして、新たにマイクロバス2台を納入しました。また、バスのラッピングデザインを学園内にて応募し、1台は学生、もう1台は教諭のデザインが起用されました。

12月11日に、本学園フィールド教育センター農具庫前駐車場にて、納車式および安全運行セレモニーが行われ、新しいマイクロバスのお披露目に生徒らが参列しました。

谷山弘行理事長は、「バスは生徒の登下校に使用する以外に、クラブ活動の遠征や大学生の実習(元野幌農場への移動)、研究教育活動等に幅広く大いに活用してほしいと思っています。また、安全運行を祈るとともに、酪農学園らしいラッピングデザインが注目されると期待しています」とあいさつしました。

 

 

 

 

 

 

 


納車式

三 菱三菱ふそうトラック・バス株式会社

バス事業本部バス販売部

北海道地区担当 谷津 博明部長(左)よりレプリカキーの贈呈

 

 

 

 

生徒らが参列

西田丈夫校長から感謝の言葉が述べられました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ラッピングデザイン受賞者紹介

2号車のデザインに起用

獣医学群 獣医保健看護学類2年 矢野 千尋(やの ちひろ)さん

動物が好きで動物看護師を目指し酪農大に来ました。

私は日々いろんなことに挑戦しています。小さい頃から憧れている声優のオーディションを受けたり、絵を描くことも好きでデザイン画の応募をしたり、いろんなことに興味があるので自分を磨くために何でもチャレンジしてみたいと思っています。

今回の募集を見て、最初にイメージしたのは学内にある牛柄の消火栓です。酪農学園らしい“牛柄“デザインの物がもっとたくさんあってもいいと思いました。また、牛以外にも学内にいる動物(犬、豚、鳥、馬)と人の足あとをモチーフにし、乗っている高校生たちがみんなに「これ、うちのバスだよ」と、自慢したくなるようなデザインにしたいと考えました。

2号車

3号車のデザインに起用

附属とわの森三愛高校 情報科 隼野 謹(はやの すすむ)教諭

もっと酪農学園を知ってほしい、そして親しみやすさから牛柄をイメージしました。
虹には高校・大学で学んだ人たちの将来への架け橋となること、
そして下部には校舎からも目にすることができるたくさんの緑を入れました。
以前からこういう車両を公道で走らせて「学園のこと、高校のこと、大学のこと」を
多くの方々に知ってもらえたらいいなと思っておりました。
それを具体的なものとして実現できたことを大変うれしく思います。


3号車

安全運行宣言

北海道交通事業協同組合

共同交通株式会社

堀 正雄営業次長が安全運行を誓いました。

 


運転手にオリジナルのユニフォームを贈りました

 


感謝と安全運行のお祈り

朴 美愛 学園宗教主事

マイクロバスを納入できたことに感謝いたします。

酪農学園の発展と安全運行を見守りください。

 

 

 

 

翌日、マイクロバスラッピングデザイン受賞者に記念品が贈呈されました。

左から西田校長、石島常務、谷山理事長、矢野さん、竹花学長、久保木教頭

本学学生と㈱北海道酪農公社が共同研究した生クリームを使用したXmasケーキを販売

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NEWS NO.92(2019年度)

本学学生と㈱北海道酪農公社が共同研究した生クリームを使用したXmasケーキを販売

本学学生が㈱北海道酪農公社と共同研究し、開発・商品化した生クリームを使用したケーキを、12月23日・24日の2日間に渡り、Pasco夢パン工房野幌店で予約されたお客様へ直接ケーキの受け渡しを行いました。

予約ケーキを渡す松浦さん

共同研究を担当した食品企画開発ゼミ4年生の原田咲洋さんと松浦瑞季さんにインタビューしました。
■原田 咲洋さん
・分析試料のホイップクリーム準備を担当。
・好きな食べ物はチョコ。
・得意な料理は母直伝のルーを使わないシチューづくり。

原田 咲洋さん

私は試験を行うための試料準備を担当しました。北海道酪農公社様からいただく生クリームと他社の生クリームを8分立てにホイップして、硬さ(粘弾性)を均一にする作業ですが、本当に大変でした。生クリームは物性が荒れやすく、各社でクリームの質が違う事もあり、ホイップ後のクリームを立てた際の手の感覚だけが頼りでした。また、ミキサーの種類によってもホイップの仕上がりが変わるため、ミキサーの攪拌部分であるスポークの本数から見直したことや、酪農公社からいただく生クリーム(5ℓ)も、受け取った時点で成分が瓶の中で分離しているので、中身を均一にするため寸胴鍋に入れ替えてヘラで混ぜ、10皿に取り分けてから1皿あたり数個にホイップして、使用出来るのはそのうち5個。材料にも限りがあるので、試験のたびにとても緊張しました。


■松浦 瑞季さん
・ホイップクリームの分析試験を担当。
・好きな食べ物はヨーグルトやチーズなどの乳製品。
・得意な料理はパンやパウンドケーキ、クッキーなど、小麦粉を混ぜて焼くもの。

松浦 瑞季さん

私は分析試験を担当しました。ホイップされたクリームを絞り、その高さや硬さ、クリーム表面の質感を確認したり、口溶けを確認するための試験などを行いました。特に、硬さを見るためにクリープメーターと言う器具(ホイップしたクリームを入れた容器に棒状のプランジャーを押し付けて硬さを測る)を使用しますが、プランジャーの適度なサイズがなく自作して分析を行いました。

予約ケーキ受け渡しは阿部ゼミの森さんと保原さんと一緒に行いました。
クリスマス直前という事もあり、当日に購入されたお客様もいらっしゃいました。
また、Pasco野幌店さんのご厚意で、ケーキの試食も実施しました。

お客様へケーキの受け渡し。

北海道酪農公社様も予約してくれました。

 

 


お客様へケーキの受け渡し。

お客様へケーキの受け渡し。


原田さん、森さん、Pasco平山さん(本学OG)

松浦さん、保原さん


試食もしていただきました。

美味しいと言っていただけました。


二人は、既に技術職として牛乳メーカーへの内定が決まっています。就職後は社会でどのように活躍したいかを聞きました。

原田さんと松浦さん(研究室にて)

「㈱北海道酪農公社様との共同研究を通じて、職人さん達の商品づくりへ取り組む姿勢や想いを間近で見て、1つの事にこんなに打ち込めるのか!と驚きと共に尊敬しました。就職後は、消費者第一と考えお客様に笑顔で満足していただきたいという想いを持ち、与えられた仕事を頑張り、様々な仕事を通じていずれは商品開発をしたいです」と新社会人へ向けての抱負を述べられました。


阿部茂教授からは「今回共同開発した生クリームは口どけが良くバクバク食べられます。株式会社レアールパスコベーカリーズ(株式会社敷島製パンのベーカリー事業会社)のパン職人も「確かにこの生クリームはとても美味しい!」と評価してくれました。二人は試験結果を出すことが非常に難しい条件のなかで、食品加工研究センターの1室を借り、何度も通い詰めて実験と失敗を繰り返していました。分析用生クリームの状態やミキサーの器具を一から見直すなど、原因を探りながらの長い道のりを二人はコツコツとやり遂げました。今回の研究をやり遂げることが出来たのは、ご協力いただいた㈱北海道酪農公社職員様の仕事に対する姿勢を見せていただいたことも励みになったと思います。」と二人への感想を述べました。

阿部教授(右)と研究室にて


生クリームケーキ

チョコクリームケーキ


二人の今後の活躍に期待です。

2020年3月14日入試説明会『道が決まる春にしよう!』

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受験生のみなさんこんにちは!

酪農学園大学では2020年3月14日(土)に入試説明会を開催いたします。
入試制度の説明の他、各学類の教員による模擬講義、個別相談なども行います!

ぜひご参加ください!

●酪農学園大学 入試説明会●
日時:2020年3月14日(土) 10時00分~16時00分
会場:酪農学園大学 C1号館(北海道江別市文京台緑町582番地)
内容:(1)全体説明・入試説明(学群別)
      (2)模擬講義(学類別)
      (3)個別相談・学類展示(学類別)
      (4)入試相談ブース、学生スタッフ相談ブース、中央館屋上見学

※酪農生産ステーション見学、動物医療センター見学も実施します。
※タイムスケジュールと模擬講義のテーマについては2020年1月下旬に公開予定。少々お待ちください。
※お申し込みフォームにつきましては2020年1月上旬より開設予定です。

【連絡先】

 酪農学園大学 入試広報センター広報課
 TEL:011-388-4158

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