NEWS NO.171(2016年度)
第3回ナチュラルチーズ製造セミナーを実施
食と健康学類の乳製品製造学研究室は、9月7日から9日までの3日間、乳製品製造実験実習室で、第3回ナチュラルチーズ製造セミナーを実施しました。
このセミナーは、国産ナチュラルチーズの安全性と製造技術の向上や北海道の酪農・乳業の健全な発展に役立てることを目的にしています。チーズ製造を通した社会参画に高い志を持つ学生を募集し、学類の垣根を越えて6名の学生が受講しました。
1日目は、竹田保之教授による「乳の基本知識とチーズ製造の科学」の講義を受けたのち、江別市角山にある米村牧場のチーズ工房を見学しました。その後、本学に戻り翌日のチーズ造りに必要なスターター(※原料乳の発酵を促す乳酸菌)の準備を行いました。
2日目は、カマンベールチーズとさけるチーズを製造しました。
カマンベールチーズの製造は本学実習室の倉内技師が指導し、さけるチーズの製造は、特別講師として本学の卒業生(酪農学部1993年卒)で、旭川市街にあるチーズ工房「Japacheese(ジャパチーズ)」を経営する長尾英次さんが指導しました。
学生たちは、原料乳にスターターやレンネットを加え、固まったものをカットし、型詰して圧縮する一連の作業工程を行い、原料乳がチーズになる過程について詳しく説明を受けながら観察・確認をし、理解を深めました。セミナー終了後には、バーベキューを行い、参加者同士そして講師陣との交流が図られました。
【さけるチーズ製造課程】
【カマンベールチーズ製造課程】
3日目には、2班に分かれてそれぞれのチーズ製造の工程をフローチャートにまとめ発表しました。その後、修了試験を行い、合格者には修了証が付与されました。
【終了試験】
【修了証授与】

学類の垣根を越えて、将来何らかの形でチーズ製造に携わりたいと思っている学生のキャリアアップにつながれば幸いです。ただ、3日間でチーズの製造工程を習っても、同じようにうまくはいかないと思います。技術や知識だけあってもダメです。これを機に、良いつながりが出来たと思って積極的にいろいろと聞いてきてください。

セミナーに参加したからといって、1回で同じようにチーズが造られると思ったらそれは大間違いです。チーズ造りはそんなに簡単なものではありません。セミナーは終了しますが、カマンベールチーズの完成はまだ先です。興味があればぜひ、最後まで参加してください。これからも精進してチーズ造りを続けて欲しいと思っています。

チーズ製造の仕事は、6割が洗い物作業で残り4割が段取りと言っても過言ではありません。おいしいチーズを造るためには、地道な作業や日々の努力の積み重ねが必要です。私も仕事に追われる毎日ですが、皆さんと話しをして学生時代を思い出したり、将来の夢を語る姿を見てパワーをもらい、身が引き締まる思いです。